英語の指導方針①

2022.04.12 ブログ


こんにちは、井上です。国語・社会科の高木佑大先生に触発されて、英語も指導方針を書こうと思います。よく考えたら勉強のことはあまり書いていなかったことに気付きました。テレビ番組やニュース、果てはM-1グランプリまで(笑)でもそういう話題のほうが私の人となりが伝わるかなとも思ったりしますし、実際、生徒や卒業生たちからは「ブログを読むと井上先生のままやんって思う」と言われます(笑)しかし、たまには英語について書かないとなと思い、筆を執りました。この「筆を執る」という表現も実態に合わない表現になってきています。時代を経て「ペンを持つ」になり、今や「キーボードを打つ」や「画面をタップする」に変わってきています。言葉と時代の移ろいはおもしろいですね。日本人は元来言葉に柔軟な民族です。漢字を中国から学んで以来、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットをうまく使い分け、豊かに日本語を発展させてきました。そんな表現は間違えている、と断じるのではなく、実態と照らし合わせて、柔軟に変化することもまた大事なのかなと思ったりもします。
前置きが長くなり危うくまた話題が逸れそうになりました(笑)英語の指導方針でしたね。

英語に関しては、大きく分けて2つのことを軸にして教えています。どの分野においても文法の基本を常に念頭に置くことと、単語を覚えること。この2つです。

1つめの文法の基本とは、主語と動詞をきちんと捉えその関係を考えることです。それがきちんとできる人は英文の解釈やその後の文法で大きくつまずくことはありません。例えば、Iにはamを使い、Youにはareを使い、Itにはisを使う。be動詞は主語によって使い分けが必要です。ではKenには何を使うのか。Your fatherには?Reading booksには?The man who lives in Canadaには?答えはすべてisです。共通点は、主語が単数であるということです。Itにisを使える人には大きく分けて2種類います。一つは「It is」と形で頭に入れている人。この生徒に「isはどんなときに使う?」と尋ねると「heとかshe」と答えます。頭の中にある「形」を答えるのです。もう一つは単数が主語のときはisを使うと、その理由を頭に入れている人。形を頭に入れている人は先ほどの質問にいくつか迷われたかもしれませんが、理由を頭に入れている人はすべて同じ問題に見えたと思います。これが応用力であり、私の教え方です。そして、英会話教室で学ぶこととの大きな違いになります。英会話教室との違いについてはまた後日書くとして、私が言いたいことは、基本を知っている人は応用が利くということです。それをほぼすべての文法を教えるときに伝え続けます。それでもこの重要性は生徒にはなかなか伝わらないようです。どうしてでしょう?知らなくても解けるからです。10問中7,8問は正解するからです。その残り2,3問が、1年後には大きな足かせになるのですが、なかなか「自分のやり方」を変えることは難しいようです。根気よくその重要性を説いてわかってもらうしかありません。
もう一つ大事なことは「S+V+~を」という順序で英文を理解することです。もちろんご存知のように、5文型のうちこの順序で並ぶのは第3文型だけです。しかし、中学校の英文法でこの順序になる文は、単純に数が一番多いですしいろんな文法に応用されもします。多くの生徒が苦手とする不定詞、動名詞、接続詞that、関係代名詞、間接疑問文などは大半がこの型を応用したものです。I have a friend.もI have a friend to play with.もI have a friend who lives in Canada.もすべて基本は同じです。「友達」にいろいろな「飾り」がついているだけです。英文を見て「S+V+~を」と捉えれば日本語に直すことは簡単になり、逆に日本文を見て「~は~を~する」を捉えれば、英語に直すことは簡単になります。

文法面では時間をかけられればうまく軌道修正することは可能ですが、もう一つの軸、単語においては私たちには限界があります。本人が覚えるための時間をかけなければならないからです。これは学校や塾ではなく、自宅での時間の使い方が大きく影響してきます。私たちもテストややり直し、補習などでなんとか時間を取りはしますが、テストをすると言っても覚えてこない、やり直しをさせても覚えようとしない、これでは手の打ちようがありません。本人に覚える気がないのなら、保護者の方にお手伝いしてもらうのも一つの方法だと思っています。家族間で教えることの難しさやみなさんがご多忙であることは重々承知しているのですが、私たちが生徒と接することができる時間は限られています。生徒自身が学習に対して成熟していないのなら、一番長く、そして近くにいる大人が時間を割いてやることも必要な場合もあるのではと思っています。単語を覚えていないことは英語の勉強にとって致命的とも言える大問題です。私もいろいろなタイミングでその重要性はもちろん、その方法などについても話すのですが、なかなか家では実践してもらえないのが実態のようです。
例えば、先日生徒にこんな話をしました。テストでできなかった問題は5回書きをさせるようにしているのですが、ただ5回書く(写す)のでは、正直に言って無駄な勉強になってしまう可能性があります。覚えようという気持ちがないことには、5回書こうが10回書こうが覚えません。では気持ちがなくても覚えるにはどうすればいいか。100回書けばいい。でもそれは現実的ではありませんね。それならば1回を5回繰り返す、そして写すのではなく、解くようにすればいい。具体的な方法を下記に添付します。









この①~③はあまりよくない例です。英単語や日本語に付けられた数字は、書いた順を表しています。
①はまったく無駄な練習方法です。このやり方をする生徒は字が雑なことが多いですし、覚えている生徒を見たことがありません。ただひたすらに「手が痛い」だけで終わるでしょう。
②をする生徒がおそらく一番多いのではないでしょうか。このパターンでは英単語を覚えられないばかりか、この生徒にとっては「日本語を5回書く意味」はおそらくわからないでしょう。「なんで日本語を5回も書かなあかんの」と言いそうです。それは、早く終わらせるために自分自身が無意味になる方法を選んでいる、というのが本当のところです。
③からは大きく前進します。日本語を5回書く意味がありますし、覚えやすくなると思います。あまり意識しなかったとしても、毎回日本語を確認しながら書くからです。









④からは良い方法だと思います。英単語を書く前に日本語を書くことで、一瞬でもその英単語のつづりを「考える」からです。しかし④よりも⑤のほうが良いでしょう。④だと、最後の英単語を練習したときには、最初の英単語を忘れている可能性があるからです。1つずつを5回、この方が全体を覚えられます。
そして私がもっともお勧めしたいのが、⑥の方法です。すべてを「問題」にしてしまうのです。④の説明で、「一瞬でもその英単語のつづりを考える」と書きましたが、この方法ではそれを「強制的に考えさせる」ことができます。それを5回繰り返せば、覚える量は飛躍的に上がるはずです。
一度お子さんの練習ノートを見てみてください。「覚えられない」という生徒は①か②がほとんどでしょう。彼らはどうしてこの方法を選ぶのだと思いますか?それは「早く終わる」からです。
英単語を覚える方法はいくつかあります。①ではあり得ませんが、②以降のどれかで覚えられているのなら、それで構いません。結果が出ていれば何も言いません。ただ5回書く練習でもこのようにいろいろな方法があります。「書くだけ」の方法よりも「考えながら書く」方法のほうが、時間はかかります。宿題を早く終わらせたい生徒は考えずにただひたすらに考えずに書き続けます。そして「覚えられない」「方法がわからない」と言います。「早く終わらせたい・面倒くさいという気持ちを優先させた過程」を選んでいることが原因であることがほとんどです。私は生徒が書いてきたノートをチェックすることしかできません。②~④はノートに書かれた結果は同じです。その過程までを確認することはできません。それが可能なのは、話が戻りますが、宿題をする時に家にいる人だけだと思うのです。だからそういう生徒にとっては、保護者の方のお手伝いは不可欠だと思っているのです。

ちなみに私が中学生の時にどんな方法で覚えていたのかと言うと①~⑥のどれでもありません。英単語を何度も書いて覚えたという記憶はありません。(こんなことを書くを生徒に怒られそうですが笑)なぜなら、私は読めば覚えられたからです。これについては『指導方針②』に書くことにします。


sungrove

資料請求・体験
のお問い合わせ
受付時間:各教室16:30~