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2022.03.23 ブログ
こんにちは、井上です。
先日公立高校の一般選抜入試の合格発表があり、長い1年が終わりました。私立専願、特別選抜、一般選抜と、それぞれに希望があり、希望通りの結果が出た生徒もいましたが、残念ながら希望通りの結果が出なかった生徒もいました。今年度の当塾の第一志望合格率は82.5%でした。入塾テストがなくても結果は十分に出せたのではないかと思いますが、私はそんなことはたいした問題ではないと思っています。本稿は入試結果をお伝えすることが一つの目的ですので、前述しましたが、本音はそこにはありません。
「A塾はX高校に何人合格させている。」
この、数字を使った「わかりやすい」表現は、今で言えば、「ウクライナ国民が何人殺された。」という報道に通じるものがあると思います。1人だとたいしたことではなくて、1,000人だとたいしたことなのでしょうか。そうではありません。問題は数字ではありません。ロシアが、一般の国民を含めて無差別にウクライナ対してに武力による侵略を始めたこと、これが問題なのであり、たった1人であっても、その者の人生が無意味に葬られたことは、国際社会が日常化している現在として由々しき大きな問題です。
合格者数も同じことです。
合格率が99%であっても、1人が合格にたどり着けなかったことは胸を痛める事実ですし、その生徒には、自分の良くなかったところを改善して、3年後、10年後、20年後の人生の糧にしてもらいたいと思っています。もちろん私たちも改善すべきことを改善し、また来年度に向かって進んでいきます。数字による報告はわかりやすく整理しやすいというメリットはありますが、他方では、個人を見えにくくし、やがて個人を追い越して数字こそが信頼できるのだという幻惑に囚われてしまうという危険を含んでいます。全体と個人のバランス感覚は常に念頭に置いておかなければならないと私は思っています。
だから私は、全体の数字が良いものであったかどうかではなく、一人一人の生徒が、この1年間を通して何を得たのか、そして何を得られなかったのかを気にしています。合格した生徒にも、合格できなかった生徒にも同じようにそう思っています。そして私は彼らに何を与えられて何を与えられなかったのか。互いにこの1年間を「良い過程」として次に進んでいければなと思っています。つまり、前回のブログでも書いたように、「良い結果」も「悪い結果」も、未来につなげていくことの「過程」だと思ってほしいのです。喜び、苦しみ、悲しみを風化させては、この経験が無意味なものになってしまい、3年間の大切な経験が今後の糧になりません。どうか、今の気持ちを大切に心の木箱にそっとしまっておいてください。いつかその箱を開けたときに、これのおかげで今の自分があるんだと誇れるように。
私個人で言うと、心の中は木箱だらけです(笑)そして日常生活の中でよく開け閉めしています。私は、人間は忘れてしまう生き物だと思っているのですが、だからこそ、開け閉めを繰り返して、今進んでいる道が進むべき道から逸れていたら、また少し修正するという作業を繰り返しています。孔子は論語の中で、「七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)をこえず」と書きました。(矩をこえず…人の道を踏み外すことはない)まだまだ私は、心の欲するままに生きてしまうと、矩をこえてしまう未熟者です。過去や周囲の人から学んで生きなければおかしなところに行ってしまう危険を持っています。
みなさんが、今回の経験や結果を大事にして、良い未来へ進んでいくことを期待しています。
それでは今日はこの辺で失礼します。