新竜王

2021.11.14 ブログ


こんにちは、井上です。
昨夜、棋士の藤井聡太三冠が豊島竜王からその座を奪取し、新竜王となりました。その結果、四冠を保持することとなりました。これは羽生善治九段の持つ最年少四冠記録を大きく更新するもので、同時に現在の全棋士の序列トップに立ったことを意味します。
お?井上は将棋に興味があるのか?とお思いになられた方もいるかもしれませんが、残念ながら、駒の動かし方くらいしかわかりません…将棋の報道でよく見聞きする「やぐら」などの用語はもちろん「4五歩」などもよくわかりません(笑)

しかし、最近は好んで藤井四冠のニュースをよく見ます。きっと私は将棋と言うよりも「天才」に興味があるのだと思います。想像のつかない世界ですが、だからこそわくわくするのです。

何かのインタビューで、藤井四冠は、天才と呼ばれる羽生九段をして「天才」と言わしめたことがあります。そしてその藤井四冠は、将棋は「研究者7、勝負師2、芸術家1」と言っています。天才に天才と言われた人が研究が大切だと言っているわけです。もうわけがわかりません…きっと私の世界の50億手先くらいの話なのでしょう。お金(だけではありませんが)で解決できる分、宇宙の方がずっと身近に感じるくらいです(笑)

また、藤井四冠のこんな言葉も見つけました。

「具体的な数字はあまり意識していなくて、結果ばかり求めていると逆にそれが出ない時にモチベーションを維持するのが難しくなってしまうかなと思っているので、結果よりも内容を重視して、1局指すごとに改善していけるところも新たに見つかると思うので、それをモチベーションにやっていきたい」

この話を勉強に当てはめた場合、一つの危うさを含んでいると思いました。
藤井四冠の言うように、結果ではなく内容を重視することは、勉強においてもとても大切なことです。結果は後からついてくるというのが私の考えです。結果を重視するあまり、基礎を軽視して器用さだけで進んでいき、空洞のできた点数だけが積み重なった生徒をたくさん見てきました。最終的にはすべて一から立て直さなければならない状態に戻ります。問題をむやみに解いて(解説を読まずに)正解か不正解かだけの確認をする勉強を繰り返している人はこのタイプでしょう。何よりも結果がほしいのです。マルは正義、バツは悪だということしか考えていないのです。悪のようなマルも正義に近いバツもたくさんあります。そういう意味で、勉強では結果より内容の方が重視されるべきです。

しかし一方で、「結果」、つまり言い換えると「客観的である」ことも重要です。将棋にはある種の「正解(のようなもの)」があります。その最善手にどれだけ近づけるか、それに対してAIや過去の棋譜などを利用して研究を重ねていくのでしょう(たぶん 笑)。つまり将棋にはある程度の客観的な指標があるのです。
しかし「勉強を頑張る」ということには客観的な指標はありません。誰が見ても「頑張った」のか、自分にとってだけ「頑張った」のか。その違いに気づくことはすごく難しいと思います。ちょうど「猫背」に似ているように思います(私も猫背です 笑)。猫背の人にとって、一番楽な姿勢は背中を丸めた姿勢です。このことは「間違いない」と自分は信じています。なにしろ自分が「楽」だと感じているのですから、疑いようがありません。しかし、ご存知のように、体にとって一番楽な姿勢は、背筋を伸ばした姿勢です。その客観的事実に本人ですら気づかないのです。頑張ったという気持ちが十分なのかどうかもこれにすごく似ているように思います。自分で頑張ったと思ったことが十分なのかどうかは本人ですら気づかない場合があります。その客観的な指標の一つが、勉強では点数なのです。そうである以上、勉強では結果を出すことも重要です。

つまり結果と内容のどちらを重視するかどうかではなく、客観的であるかどうかを意識していなければならないのです。そこに自分の主観、条件をどれだけ加味していくか、そこは本人にしかわからない領域ですが、私たちは、今まで教えてきた経験と本人の性格や環境を考慮して、可能な限りの客観的な状態を生徒に伝えます。以前のブログにも書いた通り、私はいつも本人が思っている「少し先」の目標を課します。現在の本人に妥協することは、将来の本人に対して失礼な行為だと思っているからです。

結果には見えない成長、結果に隠れた危うさ。藤井聡太四冠だけでなく、結果を出してきたすべての人はきっと客観的に自分を見るのが上手なのでしょう。マンガの『宇宙兄弟』で南波六太も「俺の敵は大体俺です」と言っています。客観的に自分を知り、それに合わせて行動することが充実した結果を生む唯一の方法だと私は思います。

以上が藤井四冠の記事を読んでいて思ったことです。感動が冷めやらないうちに…。それでは失礼します。


sungrove

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