ウサギとカメ(改)

2021.08.07 ブログ


こんにちは、井上です。
当塾は2,3年生の夏期講習の真っ最中(1年生は7月前半に終わりました。2年生は希望者のみの参加です)。そして明後日月曜日から1週間、お盆休みに入ります。1,2年生は部活もあるでしょうが、塾のない1週間をいつもよりゆっくり過ごせるのではないでしょうか。3年生はゆっくりしないでくださいね(笑)。各自やるべきことを計画的に進めてください。

さて、今日は『ウサギとカメ』についてのブログです。
有名な童話ですね。速く走るウサギが、途中で油断してカメに追い抜かれてしまう。こつこつ努力することは大切だというお話です。

今日はこのお話に一つ設定を加えたいと思います。
「もし、ゴールしたタイムによって順に賞金を与えられる」としたら…?ウサギは油断したでしょうか?
この時点で考えられることはたくさんあります。ウサギはやはりかなりの怠け者で、童話と同じように休憩をしてカメに負ける。もしかすると休憩をしてもカメに負けなかったかもしれません。賞金のほしいウサギは油断せずにゴールしたのかもしれませんが、全速力でゴールしたのでしょうか?カメに勝つ程度の速さでゴールしたのでしょうか?
想像するとキリがないですね。

一方、カメのほうはどうでしょうか?ある記事によると、ウサギの速さは時速72km、カメの速さは時速0.3kmだそうです。どうやっても勝てなさそうですね。しかし、ウサギより遅かったとしても、ゴールすることはできます。ところが、途中で嫌になって横にあるお花畑で休憩してしまうと、ゴールすることは難しくなります。そうなると、もはや賞金はもらえませんね。そして、ゆっくりゴールすることは無駄なことなのでしょうか?ゆっくり走るカメは、ウサギよりも周りの風景を楽しめるかもしれません。風景を楽しんだ上に賞金ももらえる。なんだか、カメのほうが豊かに感じます。

さて、ここで2つ質問です。
「レースでトクをしたのは誰でしょうか?」
「レースを楽しんだのは誰でしょうか?」

これらの質問に答えはありません。だからこそ、人それぞれの答えを持つでしょう。

「ウサギとカメ」の童話は子供に努力の大切さを教えるための、いわば平面的なお話です。しかし、少し角度を変えたりその奥を想像したりすると、この話はもっと選択と可能性を秘めた立体的な物語として読み取ることができます。

もうそろそろわかってくる年齢だと思いますが、(どちらが良い悪いという「平面的な」捉え方をしないように)「ウサギ」に生まれるか、「カメ」に生まれるかは、生まれたときに決まります。しかし、人は道具を使い、我慢をし、夢を持つことができます。それらをどう使うか、あるいはいつ使うか、どれくらい使うか、そんなふうに人生とどう向き合うかによって「ウサギ」も「カメ」もさまざまな未来を選択していくことになります。『ウサギとカメ』の童話は、せいぜい2時間くらいのお話でしょうから、圧倒的にウサギが優位に見えますが、人生は90年近くあります。

私たちはまだあきらめるには早すぎると思いますし、まだまだできることはたくさんあるように思います。

みなさん、有意義な夏休みをお過ごしください。


sungrove

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