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2020.05.24 ブログ
こんにちは、井上です。休講明けから2週間と少しが過ぎました。「3密」を避けながら消毒等の対策を続けて「平常通り」の授業を行っています。
オンライン授業の重要性と必要性が報道されています。私個人的な感想を言えば、配信授業の反応はおおむね悪くはありません。が、やはりいくつか問題もあるように感じています。
一つ目は「きちんとした授業」ができないこと。私たちはふだん、決められたカリキュラムを毎年同じようにロボットのように教えているのではありません。授業というのは目の前の生徒の顔を見ながらその反応に合わせて微妙に調整しながら変化させて成り立つものです。もちろん私なりにできるだけ工夫をして退屈させないように、あるいはわかってもらえるように心掛けたつもりですが、生の反応なくして、ただ単にその単元の知識を伝えるというのはなかなか難しいものでした。
二つ目は、一つ目と連動しますが、「やる子」「やらない子」の差の問題です(「できる子」「できない子」ではありません)。「やる子」はこちらの多少の工夫さえあれば1カ月くらいオンラインで行っても大丈夫なように感じましたが、「やらない子」はたった2回の授業でもまったく手つかずの状態でした。その生まれてしまった「差」を埋めるのに時間内、あるいは時間外のサポートが必要になりました。2週間かかって先週でようやく全員の足並みがそろったかなという感触を受けました。
三つ目はテストができないことです。生徒たちはテストを嫌いますが、テストというのは学生に与えられた、大人からのプレゼントのようなものです。受験に向かうまでの細かなテストがあるからこそ、その度に、ある一定の範囲の復習ができるのです。 一発本番ではないところが学生と社会人の大きなちがいです。 その効果的なテストを作るのに大人たちはすごく時間と知恵を費やします。それを丸めて捨てられたり一回きりで引き出しの奥でぐちゃぐちゃにされたりするとかわいそうです。先生がかわいそうなのではありません。問題がかわいそうなのです。話は逸れますが、私はよく生徒に「そんな解き方をしたら問題君がかわいそうだ」と言います。問題君は「僕をきちんと解いてくれたらこの問題はできるようになるよ」とニコニコしてみなさんを待っています。それをたった数秒で終わらせたり、見向きもせず空欄のまま飛ばされたりすると、問題君は泣いてしまいます。プリントにたまに茶色いシミがついてることはありませんか?あれはお茶ではなく、問題君の涙です。話がメルヘンに向かってきたのでまとめます(笑)。問題はきちんと解いてあげてください。
さて、まもなく学校も始まります。心の準備を始めてください。最も大事なのは早寝早起きです。リズムが崩れている人は1週間かけて戻してください。そして、準備が間に合わなかった人は、嫌々でも1週間行ってください。それで戻るはずです。3カ月の休みを長く言う人が多いですが、中学1年生でも早寝早起きの生活を6,7年続けてきているのです。その方が絶対に身についているはずです。自分の6,7年を信じて1週間がんばってください。
そして自分でそれができない子がいれば、ぜひ保護者の方が手伝ってあげてください。勉強も生活も手伝ってあげてほしいと思っています。生活の妨げになっているようならスマホを取り上げたりしてなんとか整えてあげてください。勉強は教える必要はありません。いっしょにノートをめくってあげてください。それをする時間がなければ勉強している側にいてあげてください。お忙しいとは思いますが、私たちも可能な限りサポートをするので、いっしょにその子の成長を支えていただきたいなと思っています。結果だけを見て怒っても、その子の抱えている問題はあまり解決しません。マザーテレサの名言にこういうのがあります、「説教して聞かせてもそれはその人と触れ合うことにはなりません。箒を手に取ってその人の家をきれいにしてあげてごらん。その方が雄弁です。」
では、今日はこの辺で失礼します。