しんかい6500 Part1

2019.12.04 ブログ

こんにちは、井上です。

前々回の「歯医者」のブログを読んでくれた何人かの生徒にその真偽を確認されました(笑)もちろん本当です。しっかりと、というより大事に磨いています。

さて、今回は久しぶりのNHK『プロフェッショナル』シリーズです。
みなさんは「しんかい6500」という潜水船をご存知でしょうか?
日本が世界に誇る有人潜水調査船です。この潜水船は30年前に日本で造られ、深海の生態系の調査はもちろん、地震のメカニズムを解き明かす太平洋プレートの亀裂を世界で初めて発見したのも「しんかい6500」。世界を次々と驚かせてきた日本の技術の結晶。何回かの改良を繰り返して研究者たちに愛されてきました。

しかし。

完成した当時こそ有人潜水船で6500mを潜った潜水船はなかったが、その後世界の技術は発展し、それ以上潜ることが可能になった上、現在では無人潜水調査船の開発が進み「しんかい6500」の優位性は徐々に失われてきています。

「しんかい6500」はもう必要ないのか?

微生物学者の高井さんは言います。
「サイエンスだけを考えるなら有人潜水船は必要なものではないが、必要なものだけを残すと人間社会にとってよくない。必要じゃないものの必要性を感じる人間がたくさん出てきてほしい。次の夢を育む存在としての有人潜水船の意義はめちゃくちゃ大きくて、それは乗った人にしかわからない。」

それを伝えるため、高井さんたちは海洋分野を学ぶ学生達に体験してもらう活動をしています。

そのうちの1人が東京大学3年生の浅野さん。
浅野さんは「研究だけの目的で言うなら、有人潜水船はなくてもいい。」と言います。

浅野さんが実際に「しんかい6500」に乗り込み深海の調査に加わった後、話し合いの場で、実際に深海の生物を自分の目で見た感動を話しながらも、それはカメラとカメラマンの技術の発展で今後無人潜水船で十分克服されていくだろう、と言います。
そして、そのあと、しかしと言ってこう続けました。
「しんかい6500にはいろんな人の思いが乗っていて、それによって海洋研究に興味を持った人がたくさんいたと思う。それを考えると、しんかい6500の魅力は、いろんな人を巻き込んでいるところにある。今後も、規模はわからないが、無人潜水船と一緒に存続し続けることが大事なんじゃないかと今は思っています。」

高井さんはそれを聞いて「私たちが20年かけて辿り着いた結論を、彼らがたった1日2日で出せるくらい理解力が強くいろんな視点を持っていてびっくりした。」と驚きを嬉しそうに話されていました。

Part2に続きます。
sungrove

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