比喩の話

2019.02.23 ブログ

こんにちは、井上です。

1、2年生は学年末テスト前、3年生は私立と特別選抜が終わって一般選抜入試前です。みなさん自分の目指すもののために全力でがんばってください。高木塾も全力でバックアップします。

さて今日は「比喩」の話をしようと思います。

最近寝る前に、村上春樹の『風の歌を聴け』を読んでいます。1979年に書かれたものなので私の生まれる前のものです。大学生の頃に初めて読んで、3度目くらいに読んでいます。

この小説には、時代背景もあってか、タバコや飲酒運転など「乱暴」な描写がたくさん出てきます。それを読みながら思いました。タバコやお酒は当然扱い方や付き合い方には気を付けなければなりません。しかし、だからこそ、その時、人は頭を使います。どうすれば危険ではないのか、どうすれば他人に迷惑をかけずに楽しめるか。

しかし現代は電子タバコもあるしノンアルコールビールもあります。あまり何も気にしなくても危険があったり迷惑をかけたりすることは少なくなりました。残念ながらどの時代にもそういったことを気にしない人はいますが、最近は本来なら気にしていた人も油断しているのではないかと思いました。頭を使わなくなっているのでは、ということです。(そんなことを考えながら読むことは作者の思うところではないでしょうが笑)

ここまでが「比喩」の話です。

勉強でも似たような話があります。毎週の授業にせよ出される宿題にせよ、「70点」に慣れてしまう人がいます。「悪くない」「怒られない」レベルでの勉強を繰り返す人です。これが一番恐いんです。私は、特に中途入塾の生徒に接するときにまずはその子の抜けていること、崩れ始めた時期を把握しようと努めます。そしてその部分を時間をかけて改善しようと考えます。しかし「頭を使わずに」怒られない点数を取ってきた子は自分のやり方が身についてしまっています。「悪くない」勉強は適度に努力も必要ですし、周りからも怒られることはないので心地いいんです。それは前述の「電子タバコ」や「ノンアルコールビール」を頭を使わずに楽しむのと似ています。少しずつ穴が開いていっていることに本人や周りの人は気づけません。それを正しい(ゴールへ最短の)道に戻すことはなかなか大変です。それが私たちの最も大切な仕事の一つです。

村上春樹に始まったこのブログで最も伝えたかったことは、

「悪くない」は決して「良くない」ということです。今の70点は明日の70点に繋がるとは限りません。平均点次第では80点になるかもしれませんが50点にさえなりえます。私たちは明日に繋がる(土台のしっかりとした)70点をまずは目指します。その70点は多少の平均点の上下では大きく崩れません。

塾に入っていたとしても考えることをやめないでください。授業は受ければいいわけではありません、宿題はすればいいわけではありません。きちんと受ける、きちんとすることでようやく力がつきます。そのことは必ず知っておいてほしいと思います。今は勉強のために、いずれは人生のために。

では、カッコイイ感じに締まったので、今日はこの辺で終わろうと思います。(笑)
sungrove

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